雁皮(がんぴ)を使った卒業証書作り
 本校の6年生は、一年間かけて、手作り卒業証書の取り組みを行っています。4月の初め、学校の近くの山に登り、地元の中川さんの案内でがんぴを採集しています。採集したあとすぐに、表面の皮をむきます。ゴミ袋5つ分ほどの皮を集める事ができます。その後、1学期から2学期にかけて、黒皮むき、甘皮むきを行います。細かい作業が結構大変です。2学期になると、毎日、水につけたがんぴの水かえも行います。そして、極寒の1月に、川北町の加藤紙すき工房で、一人ひとり実際に紙すきを行い、乾いたがんぴ紙に手書きの文字を入れて、完成です。一年間をかけて取り組んだ、世界でたった一枚の手作り卒業証書は、6年生の一生の宝ものです。地元のじせいがんぴを使う手作りの卒業証書は、波佐谷小学校の自慢の取り組みの一つです。平成3年から始まった取り組みですが、今では本校の誇れるすばらしい伝統になっています。
本校伝統の龍神太鼓

 本校の3,4年生は、平成2年から龍神太鼓に取り組んでいます。龍神太鼓とは、日照りが続き、米が収穫できないときに村人たちが雨乞いの願いを込めて叩いた太鼓で、当時の先生方が石川県に伝わる太鼓をヒントにアレンジして作ったそうです。
 最初のゆっくりとした響きから、速くなり、最後には全員で大きく激しく叩いて終わります。
 3年生は、運動会が終わった9月後半から練習を始めます。始めの頃は、合わなかったり、音が響かなかったりと苦労の連続ですが、何とか11月中旬の小松瀬領特別支援学校の感謝祭や地域の祭りで発表しています。
 4年生になると練習は本格的になり、10月の児童発表会や11月始めの波小フェスティバル、地域の祭りに向けてがんばります。本番では、練習の成果を発揮し、一人ひとり自信に満ちあふれた表情で演奏します。最後の「やっ!」の掛け声は、子どもたちの心が一つになる瞬間です。そして、3年生へのばち渡し式を行って、龍神太鼓の伝統を次につなげています。20年以上受け継がれてきた取り組みですが、手作り卒業証書と同じく、今では本校の誇れるすばらしい伝統になっています。
小松瀬領特別支援学校との交流

 波佐谷小学校では、校区にある小松瀬領特別支援学校のお友達と学年ごとに交流しています。5月の1,2年生の支援学校訪問に始まり、4〜6年生の各学年がそれぞれゲームやウォークラリーをしながら、交流を深めています。7月には、特別支援学校のお友達に来校していただき、1,2年生と七夕の会で楽しいひと時を過ごしています。また、秋に行われる小松瀬領特別支援学校の感謝祭では、3年生の児童が練習したての「龍神太鼓」を披露しています。緊張しながらの発表ですが、特別支援学校のお友達は、楽しそうに体をゆらしながら聞いてくれ、とてもよい交流になっています。
    アユの放流

 本校の4年生は、総合的な学習の時間などを使って、大杉谷川の観察や水中生物の調査などをしています。そして、毎年6月のはじめに、地元の大杉谷漁業協同組合の皆様のご協力をいただき、3年生と4年生で、学校近くの大杉谷川にアユの稚魚を放流しています。また、8月にはゴリやコイの稚魚も放流しました。これからも、魚が住みやすい環境を学び、大杉谷川にたくさんの魚が集まるようにしていきたいです。
    読書活動で
   文部科学大臣表彰
 
本校は、平成23年度、子ども読書活動優秀実践校 文部科学大臣賞を受賞しました。これまでの読書活動(朝読書、おすすめ10冊、家族読書、ふれあいブックトーク、お話会、図書委員会活動など)の中で、子どもたちの読書量は、毎年一人平均100冊を優に超えています。写真は、山びこ集会(ブックトーク)の様子です。縦割りで低学年・中学年・高学年のグループに分かれ、一人ひとりおすすめの本を絵や文章で紹介しています。聞いた後も、感想や質問などの時間を設け、読書の良さを一緒に味わいながら交流しています。
  
波佐谷小学校を見守る大きな桜
 毎年、春を迎えると、校舎前の大きな「いろどり桜」や南側の立派な「学び桜」を始め、学校の周りの立派な桜の木々が見事な花を咲かせてくれます。咲いている時ももちろん美しいのですが、花びらが散る時の花吹雪や地面の花びら絨毯に感動します。そして、5月の新緑、夏の輝く緑の頃、秋の紅葉と落ち葉のじゅうたん、冬の雪景色と一年中、楽しませながら、子どもたちを見守っています。
 

波佐谷小学校の桜の由来
 この桜の木はソメイヨシノで、昭和17年に波佐谷小学校がこの地に建設されたときに第1回の卒業生の方が昭和18年に植樹されたそうです。それから67年がたった平成22年、市制70周年記念として、この歴史ある桜の木を株分けしたらどうかという話になりました。
 そして、平成22年11月5日に波佐谷小学校桜植樹67年を祝う会を開き、その時の卒業生だった中川さんに、当時の様子を話していただくことになりました。桜を植えた頃の波佐谷小学校の児童は、剣道やバレーボールで市や県の大会で活躍していたそうです。また、桜の株分けをお世話いただいた城至造園さんからも株分けのお話をいただきました。そして、中川さんや城至さんと子どもたち全員で3本の株分けと植樹をしました。この時を記念して、子どもたちから桜の名前も公募し、校舎前の桜を「いろどりさくら」、運動場南側の桜を「学びさくら」と命名したことを児童会代表が発表しました。子どもたちは、10年後、20年後にこの桜が見事な花を咲かせる事を願って、丁寧に土を入れていました。
 これからも、歴史ある立派な桜の木と若い桜の木の両方がすくすくと育ち、ずっと私たちをあたたかく見守ってくれることを願っています。


     


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