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夏休みは,ふだんなかなかできない親子のふれあいを深める良い機会でもあります。
V9を成し遂げた巨人軍の名監督,川上哲治さんが父親のことをエッセーに書いています。
川上さんの郷里である熊本には凧揚げ大会があり,哲治さんが凧揚げをしていると,時々,糸がほつれてしまったそうです。すると父親が「かしてごらん。」と言って、一生懸命に糸をほどこうとします。お父さんは長いこと、複雑に絡んだ糸と格闘しています。哲治さんがたまらず「お父さん、もういいよ。帰ろうよ。凧糸は家にたくさんあるし。それはそれで切って、真っすぐな所だけつなげばいいじゃないか。」と言うと、お父さんは振り返って「いったん取り掛かった仕事は、なし遂げなければ男じゃないんだよ。よく覚えておけよ。」とだけ言ったそうです。小一時間かかって糸を真っすぐにし、凧はもう一度揚がったそうです。
川上さんは「私は青い空を見ると、いつでもまず凧を思い出す。それから父親の『男はいったん取り掛かった仕事を最後までやり遂げなければ男とは言えないんだよ』という言葉を今でも思い出す」と書いていらっしゃいます。
男女関係なく、お子さんと一緒の時間を過ごして,いろんなことを伝える夏休みも素敵ですね。
草柳大蔵著「午前8時のメッセージ99話」(平成13年発行)より
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